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2010年5月 6日 (木)

お能とお能の笛のこと~はじめに~

およそ650年前に形を成した演劇がお能です。

五穀豊穣、国土豊かに、とのお祈り儀式的演劇から始まり、

神々の話、武士の話、恋物語、人情物語などが

200ほどの演目となって現在に伝わり、

演じられています。

能面をつけて、能装束と言われる

優美なコスチュームに身を包み主人公を勤めるシテ、

脇役を演ずるその語源のワキ、

オペラのオーケストラの役目をする囃子方、

コーラスの地謡、狂言方もお能の中には登場します。

囃子方は笛・小鼓・大鼓・太鼓。

そして、笛は能管(のうかん)といいます。

煤竹という古い竹でできています。

笛は舞台上にはひとりしか出ないので、

特に他に合せる必要がなく、音を調律していません。

つまり10本あれば10本とも違う音がするのです。

笛の中には「のど」と言われる別の管が入っています。

それにより強い音と出すことができ

能管独特の「ヒシギ」という強い音が出ます。

内面と指穴のあたりには漆がぬってあり、

常に使うことで漆が生きた状態でよく響くようになります。

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