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2011年10月11日 (火)

舞台の上での絆

能楽師として舞台を勤めていく中で、乱 石橋 道成寺 など 披き(ヒラキ)という ステップアップの為の難しい舞台を経験します。例えば石橋 乱は大学卒業論文みたいな、道成寺は独立してお店を持ちます みたいな感覚です。近年の私は2009年に道成寺をさせていただき、次は来年の3月清経 恋之音取 が待っています。

シテが披きの舞台のときは、記念にオリジナルの扇を全員のために作らせ配り、舞台上全員が同じ扇を持ってその舞台を勤めることがあります。私は笛方として、そのような披きの舞台に共演させていただく機会が幾度となくあり、披きの記念扇をたくさん持っています。

本日大正区で催しを主催、土蜘蛛のシテを勤め、修業時代からの良き友である林本大君。彼の数年前の石橋披きの時の扇を今日の舞台では使わせてもらいました。単なる扇ではなく、一緒に苦しい修業を乗り越えてきた友であり、今もあのときと同じ気持ちで、今日の舞台を共に勤めよう、という気持ちでした。Rimg0839

僕はこの世界で、この披きの記念扇を作るという慣習が好きです。一生に一度の舞台を忘れることなく、扇を見たらその時の記憶がよみがえってくるからです。さらにその人と共演したという絆の証でもあります。

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