5.お能とお能の笛のこと
2024年10月11日 (金)
2017年8月 3日 (木)
「能が織りなす 海の物語」 佐賀 呼子にて
平成29年7月30日佐賀県呼子港 どんがめ(運搬船)
呼子にお稽古に通っている林本大氏による、なんとも言い難い、良い催しがありました。
始めに林本社中のお弟子さんの仕舞・謡の披露でどんがめ舞台に花を添えて下さり、
そのあとプロによる、海にまつわる能の仕舞と笛の共演、お話の構成。
暗くなっていくと雰囲気はさらに良いものでした。
企画主催の林本はもちろん、御出演のお社中様方、満席のお客様、呼子港の雰囲気、どんがめの船構えがこのなんとも言い難い良い催しを作ってくださったと思います。
お弟子さんおひとりおひとりの協力と町の人たちの温かみを感じる催しでした。
出演の玄人(林本はお客様お見送りの為不在)
大阪養成会時代の同期のみんなです。
卒業してから、それぞれ会を持ち頑張っています。
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2012年5月17日 (木)
能楽堂
大阪には主なる能楽堂が大阪能楽会館、大槻能楽堂、私が稽古でお借りしている山本能楽堂の3か所。そのほかにも敷舞台を含め数か所の能舞台があります。ひの木の香りのする新しい舞台から木目に色つやがでて重厚な雰囲気のある古い舞台まで。松の絵のある鏡板もそれぞれ特徴的です。京都観世会館の松の絵は堂本印象作、斬新です。また、宝塚の梅若吉之丞先生宅の敷舞台の松は絵に力があり、これまた好きな絵です。
私個人的に申しますと、鏡板の景色はいつも背にしておりますので、あまり演じていて気になりません。気になるのは…正座している板の硬さ。
古い能楽堂の板は人に木がなじんで、あたたかいぬくもりがあり、木も実際に硬く感じません。先人のおかげです。先日の篠山の舞台はとてもよかった。あそこにかの藤田大五郎先生も座り、同じところに私も座らせていただいていたことが感動でした。それに対して新しい舞台はできたての新鮮さがあり、木は硬質です。これが痛い。一時間少しの能ならば大丈夫ですが、一時間半を越えると、また一日に何番か勤めると足がたまりません。さらに自分の不摂生で体重が増えたらひとしお。
木も能楽堂も時がたつとともに変化しているのですね。木の文化の面白いところです。
篠山といえば、舞台の後に食べた山菜のてんぷらの図
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2012年1月 1日 (日)
新年をむかえ
今年が皆様にとって良き一年となりますよう心よりお祈り申し上げます
年越しの 三番叟 半能 高砂 を 無事に勤め 新年をむかえました。
23時59分に舞台に出て、0時ちょうどに座附笛を吹き今年の舞台が始まりました。毎年このお役をいただいておりますが、毎回身の引き締まる緊張を覚えます。その場にいらっしゃるお客様へ福をもたらす役割のようなもので舞台で最初に吹きだす笛方は大きな責任を背負っています。今年も無事スタートできてひと安心。ご来場いただきました皆様ありがとうございました。
今年も 舞台に 稽古に 普及活動に 頑張ります。皆様 応援を宜しくお願い申し上げます。
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2010年5月 6日 (木)
お能とお能の笛のこと~はじめに~
およそ650年前に形を成した演劇がお能です。
五穀豊穣、国土豊かに、とのお祈り儀式的演劇から始まり、
神々の話、武士の話、恋物語、人情物語などが
200ほどの演目となって現在に伝わり、
演じられています。
能面をつけて、能装束と言われる
優美なコスチュームに身を包み主人公を勤めるシテ、
脇役を演ずるその語源のワキ、
オペラのオーケストラの役目をする囃子方、
コーラスの地謡、狂言方もお能の中には登場します。
囃子方は笛・小鼓・大鼓・太鼓。
そして、笛は能管(のうかん)といいます。
煤竹という古い竹でできています。
笛は舞台上にはひとりしか出ないので、
特に他に合せる必要がなく、音を調律していません。
つまり10本あれば10本とも違う音がするのです。
笛の中には「のど」と言われる別の管が入っています。
それにより強い音と出すことができ
能管独特の「ヒシギ」という強い音が出ます。
内面と指穴のあたりには漆がぬってあり、
常に使うことで漆が生きた状態でよく響くようになります。
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